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北欧ヴィンテージ家具の素材をご紹介する第5弾。「ビーチ材・ウオールナット材・マホガニー材」の3種類を合わせてご紹介致します。
ビーチ材(beech)は日本で言うところの「ブナ」。他の素材と異なり、殆ど主張することがない木目が特徴です。
ブナは固く、曲げにも強いことから家具の材料として昔から重宝されてきました。
北欧ヴィンテージ家具の世界で特にこの素材をよく採用したと言われるのがウェグナーで、Yチェアが最も有名です。
ビーチ材はやや赤みが買った白色をしており、経年変化で黄色みを帯びてくるのが特徴です。肌触りは「つるっ」としており好みが別れるところですが、見た目の明るさと軽さは他にはない魅力と言えるでしょう。
CLOVERSKYで取り扱った家具の中から、ウェグナーによる「GE280H」を例に見ていきましょう。
GE280Hコーナーソファは主張しすぎない木目が家具本来のデザインをより引き立てています。
バックショットも構造自体の美しさがストレートに伝わってきます。
ローズウッドやオークとは対極に近いポジションのビーチ材。空間のコンセプトによっては非常に重宝する素材と言えるでしょう。
日本では「クルミ」と呼ばれるウオールナット。しかし正確に言うとクルミは白く、ウオールナットは黒いです。
これは分類上同じ「クルミ科クルミ属」の落葉樹ではあるのですが、「クルミ」という場合は日本産、「ウオールナット(ブラックウオールナット)」という場合は北米産、という違いによります。
北欧家具で使用されているのは「ブラックウオールナット」。世界三大銘木の一つで固く加工性に富み、狂いが少ないことから家具の材料として重宝され、現代でも家具のバリエーションに名を連ねています。
16世紀ごろ「富の象徴」と言われヨーロッパ中で重宝されたウオールナットですが、17世紀に入ると資源不足に陥ります。そしてそのことが次に紹介する「マホガニー」が世に知られるきっかけとなったのです。
ウオールナットらしい木目と色が出ているPovl Dinesenデザインのソーイングテーブルです。
外見からも「固さ」を感じ取れるほどの存在感。鍵を使ってふたを開けると一転して明るく精巧に作り込まれている内部に目を奪われます。
接合部も丁寧な仕事がなされており、気品ある佇まいに仕上がっていることが特徴です。
16世紀、ヨーロッパにおいて「高級素材」と位置付けられ爆発的な人気を誇ったウオールナットが資源不足となった17世紀の頃。スペイン人によりカリブ海で発見されたのが始まりと言われています。
マホガニーの加工は容易で、繊細な細工がなされたマホガニーはウオールナットに変わる高級素材としてヨーロッパを席巻します。
しかし大量に伐採されるなどの理由により自生しているマホガニーは減少。ワシントン条約で取引が制限されています。
このため現在作られている家具の原材料となっているマホガニーは計画的に管理されている植林で生産された材が殆どです。
オーレ・ヴァンシャーによる#169アームチェアです。
すっきりとしたデザインでその安定感と存在感、何より美しく艶やかなフレームは他に代えがたい魅力に溢れています。
同じフレームで、チーク材のものと比較すると違いは一目瞭然です。お部屋の雰囲気、お好みなどの要素によって最適な素材の家具をお選びいただければと思います。
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