Finn Juhlフィン・ユール
フィン・ユールは建築家であり、マイスターの称号を持つデザイナーではありません。当時のデンマーク家具業界では、コーア・クリントに学んだオーレ・ヴァンシアやボーエ・モーエンセンなどが大勢を占めており、建築家であるフィン・ユールの彫刻的なデザインは評価の対象ではなかったようです。
フィン・ユールを最初に評価したのはアメリカと言われています。当時、大量生産品に慣らされたアメリカ人が北欧製品に感銘を受け、中でもフィン・ユールの家具デザインを高く評価したのです。その後、デンマークにおいても評価され始め、家具・テーブルウェア・照明・旅客機の内装デザインなど、広範囲に渡り活躍をしました。
浮いたように見える座面や究極にまで研ぎ澄まされたアーム部など、他の作家にはない美しさを備えているのがフィン・ユールの特徴と言えます。