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デンマークで最も有名なブランドの一つ、ロイヤルコペンハーゲン。 設立は1775年ですから、200年以上の歴史を誇ります。 その間に現代でも人気を誇る名作ビンテージの数々が生み出されました。 いつの時代、誰が関わったのかを知ることでその魅力が増すのではないでしょうか。
ロイヤルコペンハーゲンは、その名に含まれる「ROYAL」の文字が示す通りデンマーク王室と密接な関係を持って生まれました。
16世紀ごろ東洋からもたらされた「白磁器」はヨーロッパ諸国に衝撃を与え、各国が競うように開発を進めます。この流れの中でマイセンなど現代にも続く名工房が生まれました。
試行錯誤の中デンマークで硬質の白磁器製造に成功したのがミュラー。1773年の出来事でした。
王室はミュラーを支援し、1775年「デンマーク磁器工場」が誕生。1779年には「デンマーク王立磁器工場」となり、文字通り国を挙げての支援体制の中その歴史は幕を開けました。
約100年後の1868年に民営化されますが、その時の条件が「ロイヤル」の名を残すこと。
こうして「ROYAL」の名を冠したロイヤルコペンハーゲンは、その後も幾多の苦難を乗り越え世界的な名声を得ることに成功したのです。
<ロイヤルコペンハーゲン公式ページ>
ロイヤルコペンハーゲンのヴィンテージがいつ作られたものなのか、その年代測定として有名なのがバックスタンプを参照する方法です。
こちらは1935年以降の製品に見られるバックスタンプから、ロゴマークのアルファベットに記されたたラインと製造年代の関係を示した図です。
例えば「R」の上に1本だけラインが記されている場合、それは「1935年に製造された」ということが分かります。
同じように「R」の上にラインが入っていても、続く「O」の上にもラインが見られた場合、それは1985年〜1991年に製造されたことを示します。
最新のラインは「R」の上と「O」の下に入っていますが、基本5年周期で位置が変わっていますので2020年には「R」の上と「P」の下、というパターンが生まれると考えられます。
せっかくなのでその他の暗号(?)についても見ていきましょう。
ロゴの下に描かれている3本の波線。これは「デンマークを囲む大スンド海峡、大ベルト海峡、そして小ベルト海峡の3本の海峡」を示しています。
その下に見られる「FAJANCE」の文字。こちらが記されている場合、「その磁器はファイアンス焼きで作られました」ということが分かります。
最下段にはデザイナーのサインが入ります。こちらの例では「B」を囲うような意匠で、分解すると「B」+『J」であることが分かります。(Berte Jessenというデザイナーさんの頭文字ですね)デザイナーのサインについては、あるものとないものがあります。
サインの左側に書かれているのは「生産に対するシリアルナンバー」と誤解されることもあるようですが、絵付けのパターンと型番です。
最後に右側。これは実際製品に絵付けを施したペインター(絵付師)のサインです。修練を積み、高い集中力を持って装飾を完成させたペインターには作品にその名を刻む栄誉が与えられています。全てのペインターに関する情報が揃っているわけではありませんが、探してみるとどんな方の手によるものなのかという事が分かる場合もあります。
美しい陶磁器を支える土台には、文字通り長い歴史に培われてきた情報が込められています。ヴィンテージを手にされた際は、ぜひその歴史の声にも耳を傾けてみてください。
以上、ロイヤルコペンハーゲンのお話でした。
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