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北欧ヴィンテージ家具の素材をご紹介する第2弾は「ローズウッド」。 その歴史と魅力について見ていこうと思います。
ヴィンテージ家具でローズウッドと呼ぶ時はブラジリアンローズウッドのことを指します。
ローズウッド自体の種類は多岐にわたるのですが、ヨーロッパ、特にヴィンテージで使用されているローズウッドはブラジリアンローズウッドである事が殆どです。
これには理由があり、一説によると18世紀まで高級家具の材料として重宝されていたマホガニーの入手が難しくなり始めた頃、それに変わる材料として白羽の矢が立ったのがローズウッド。
当時のイングランドとポルトガル、その植民地であったブラジルとの関係から「ブラジル産のローズウッド」がヨーロッパにおける高級家具の材料として大量に出回るようになったのです。
チークとの共通点でもありますが、家具に使用できる状態にまで乾燥したローズウッドは非常に硬く豪華な彫刻などを施す素材としては適していません。
しかし、それを補って余りあるのが明るい地肌に流れるような漆黒の模様。絵画的でさえあるその杢目はたちまち人々を魅了しました。
特徴的な杢目はシンプルな面構成を得意とする北欧家具との相性に優れ、特に1950年代から60年代にかけて多くのデザイナーがこの素材を好み、自らの作品に取り込みます。
この頃から輸出制限が始まり希少価値は上がっていたのですが、1980年代のブラジルにおける経済成長に伴い原生林が宅地に変わると瞬く間に絶滅危惧種に指定されるほどその数は減少。
現在個体数は回復し絶滅危惧種は解除されたもののワシントン条約により輸出入が制限されています。
現在ブラジリアンローズウッドで新たに製作される家具は幻のような存在であり、ヴィンテージやアンティークでのみその素晴らしさに触れる事ができます。
冒頭でも触れましたが、ローズウッドの一番の魅力は流れるような杢目。家具の種類を問わず、杢目の発する圧倒的な質感に感動すら覚えます。
CLOVERSKYが取り扱ってきた家具の中から、いくつか象徴的なものをピックアップしてみました。ローズウッドの魅力の一端がお伝えできれば幸いです。
そしてもう一つの大きな特徴は「香り」。ご存知の方も多いとは思いますが、ローズウッドの語源は「バラのような香り」によります。
サンディングにより香りの成分が揮発するようになったローズウッドの家具は芳醇な香りを放ち、メンテナンスが終わったばかりのショールームにはまさしく花が咲いたような香りが立ち込める事があります。
こればかりは言葉でお伝えする事ができませんが、いつかショールームにお越しいただいた時にタイミングが合えばご体感いただけるかもしれません。
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