当店で取り扱うデンマークのヴィンテージ家具の中でも、「実用性」と「名作デザイン」を高いレベルで両立している一脚。
それが、フィン・ユールが手がけた**ディプロマットチェア(No.901)**です。
一見すると少し大きめで、いわゆるダイニングチェアとは異なる佇まい。しかし実際に腰掛けてみると、その理由がすぐに分かります。
このチェアは「食事のため」ではなく、考えるため、話すため、仕事をするためにデザインされた椅子なのです。
今回は、そんなディプロマットチェアの魅力を改めて紐解いていきます。
1912年デンマーク生まれのフィン・ユールは、もともと建築を学んだデザイナー。 彫刻的とも評される独創的なフォルムで、北欧モダンデザインを世界に広めた人物です。 家具職人ニールス・ヴォッダーとの協働により生まれた 「ペリカンチェア」「チーフテンチェア」などは、現在では美術館級の存在。 一方で1960年代に入ると、より多くの人に届けるため、量産を前提としたデザインにも取り組み始めます。 その象徴的な作品のひとつが、今回ご紹介するディプロマットチェアです。
ディプロマットチェアは1961〜62年にデザインされ、France & Son社によって製造されました。 型番はNo.901。 三次元的で有機的な初期作品とは異なり、直線を基調とした構成 、二次元的な曲面、機械生産を意識した合理性といった特徴を持っています。 その名の通り、当時はデンマーク各国大使館で実際に使用され、 ディプロマットデスクなどと組み合わせてベストセラーとなりました。 現在のヴィンテージ市場では比較的流通量があり、 フィン・ユール作品の中では「現実的な価格帯」で手に入れられる一脚としても知られています。 (ハイバックタイプなど、希少なバリエーションも存在します)
ディプロマットチェアは、横幅約69cmのゆったりとしたサイズ感と、中空フレーム+金属バネ構造による底付き感のない快適な座り心地が魅力の一脚です。腰を自然に支える設計で、長時間座っても疲れにくく、デスクワークや商談用チェアとして高い完成度を誇ります。背もたれは内部構造によって体を預けるとしなやかにしなり、見た目の軽やかさと快適性を両立。直線的なデザインの中にも、アーム裏の掻き込みや先端の造形など、フィン・ユールらしい手触りの良さが感じられます。さらに、真鍮製スペーサーによって生まれる座面の浮遊感が、大ぶりなチェアでありながら圧迫感を抑え、上質な印象を与えてくれます
フィン・ユールのディプロマットチェアは、長時間座れる実用性、名作デザインとしての完成度、比較的手に入れやすい価格帯
これらを高い次元で満たした、非常にバランスの良い一脚です。
外交官のためにデザインされた椅子と聞くと、自然と背筋が伸び、仕事への向き合い方まで変わる気がしませんか?
ご自宅のデスクチェアとしてはもちろん、店舗やオフィスの商談スペースにもおすすめです。
フィン・ユールのディプロマットチェアをご検討中の方は、ぜひ一度、実物を体感しにいらしてください。