FURNITURE家具
OBJECTS雑貨
2019年2月、ワークショップを開催いたしました。 場所はCLOVERSKYの工房にて。 素材はウェグナーデザインのヴィンテージアームチェアです。 お客様にサンディングとオイル仕上げをご体験いただいきました。
まず、サンディングについてのご説明から始めさせていただきました。
講師役はメンテナンス責任者のスタッフH氏です。
北欧家具の仕上げには幾つかの種類があること、それらの中で今回は素材の良さを生かしたオイル仕上げを行うこと。
サンディング(研磨)に使用する道具と使い方、流れなどもご案内させていただきました。
この時点から「使用するのはどのようなオイルが良いのだろう」「水への耐性は?」など積極的なご質問をいただき、専門的かつ興味深い話題が飛び交うスタートとなりました。
いよいよ実際の作業開始です。
素材はハンス・J・ウェグナーがデザインしたアームチェアを予め分解した正真正銘の北欧ヴィンテージ家具です。
平面は道具を使用して、細かな面は指先を使って研磨を行います。
はじめは少し慎重なスタートでしたが、徐々にコツを掴んで来られると軽快な研磨音が工房に響き始めます。
ご自身のペースで、少しずつ、確実にオークのフレームを磨いていただきました
黙々と磨き続けていくうち、地肌が見えてきました。
「仕上がりの目安はどういったところですか?」というご質問に「見た目と、実際に指で触った時の感触も判断指標の一つです」ということでお客様が研磨されたフレームを触りながら仕上がり具合をお伝えします。
お客様も手袋を外し、実際に指先で表面をなぞり「なるほど!」といった感じでフレームをご覧いただきました。
こういった「変化」を直に体感いただけるのがワークショップならではの醍醐味とも言えます。
粗い目のサンドペーパーに始まり、細かなペーパーで滑らかな手触りになるまで磨き上げ、サンディングは完了です。
目に詰まった木屑をエアで飛ばし、綺麗にします。
これはサンディングの最終段階でもあり、次に行うオイル仕上げの準備でもあります。
下の写真は同じ部品のビフォアアフターです。
ラッカー塗装で茶色っぽい仕上がりになっていたアームパーツが、オーク本来の白っぽい色合いになりました。
手触りもサンディングの地のフレームは心なしか暖かく、柔らかい感じがします。
H氏曰く「一番楽しい時間」であるオイル仕上げです。
使用するのは「子供が舐めても大丈夫」という評価基準でCLOVERSKYが採用しているオイルです。お客様からの「一般的に◯◯オイルを使用するという情報を見ることもあるのですが、それはどうなのでしょうか?」といったご質問を皮切りに、ここでも専門的かつ和やかな質疑応答が行われました。
質疑応答を終え、H氏によるオイル仕上げの見本です。
「別にオイルを塗るだけなので、見本も何もないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はここに大きな理由が隠されているのです。
オイルの塗り方により仕上がりがどのように変化するのか、様々なケースを元にCLOVERSKYではどの仕上がりを採用しているのか、など正にリアルタイムでお伝えさせていただくために実演をいたしました。
結果はお客様の「これほど違いが出るなんて・・・!」というお言葉に集約されています。
H氏の実演を元に、お客様がそれぞれ仕上げられたパーツのオイル仕上げをされました。
オイルの塗り方による違いを、今度はお客様ご自身でご体感いただく時間です。
CLOVERSKYの仕上げを目指してみたり、実演で見た内容がご自身の磨かれたパーツではどのようになるのかなど、「色々やってみる」ご体験を積んでいただきました。
この体験こそ、ワークショップで私たちが目指した結果の一つでもあります。
オイル仕上げまで終えた段階で、お客様から「実際に仕上がったらどんな感じになるのでしょうか」というご質問をいただきましたので、「ではお見せしましょう」ということで登場したのが同じタイプのアームチェアです。
フルサンディングからオイル仕上げまでを行った完成品と、今回仕上げていただいたパーツを見比べながらポイントのご説明などをさせていただきました。
部品で見る時と完成品で見るのでは大きく印象が異なります。
サンディングとオイル仕上げをご体験され、専門的な見方を習得されたお客様をショールームにご案内させていただきました。
「やっぱり綺麗だねえ。」というお一言は、何よりの褒め言葉でした。
言葉にすると「木を磨いてオイルを塗る」というだけの事なのですが、それを「自然に美しく仕上げる」には一般的には知られていない知恵と経験が必要であり、そこにCLOVERSKYがご提供する家具の価値があります。
言葉だけでお伝えする事が非常に難しいこの命題ですが、今後もこういった機会を通じて少しでも皆様にお伝えできるよう努めて行こうと思います。
今回ご参加いただきましたお客様には、この場を持ちまして再度御礼申し上げます。ありがとうございました。